はじめに
小川鍼灸整骨院のブログです。今日は偽痛風が疑われる関節炎で来院されました患者さんについて報告させて頂きます。内容につきましては、基本的な構造が変わらない程度に内容を加工しています。
当院は大阪市の平野区と生野区の境目、地下鉄千日前線南巽駅①出口から徒歩1分のところにある鍼灸院・整骨院です。
ブログ執筆の担当は小川です
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事例
70歳男性
2日前より右足の甲が腫れて痛みを感じるようになった。歩くのが辛く、どんどん痛みが強くなっていくために近くの病院を受診。痛風ではないと言われたが先生の説明がよくわからないとのこと。そのために当院を受診されました。写真ではわかりにくいですが、確かに足の甲が赤く腫れています。
問診と診立て
足をぶつけたとか、大きなケガとか、発熱などの全身性の症状はないとのことです。飲酒の習慣はあります。運動の習慣はありません。今回の事例では何が原因かを考える際には、外傷性か感染症性のものか、それとも代謝異常によるものかを考える必要があります。外傷がなく、スポーツのような過度に使用する環境かにもない。発熱もないとなれば代謝異常ということになりますが、痛風は否定されています。お医者さんの説明がわかりにくいというのは、たぶん偽痛風を説明されたからではないでしょうか?レントゲンは撮っていないと言っていましたが。私は偽痛風の推測の元に、治療を開始しました。基本的には関節炎です。
施術
当院は整骨院です。だからまずは、患部をしっかりとアイシングしてもらうようにしました。当院では熱感がともなう腫れがある場合、患者さんの承諾のもとにアイシングを徹底して行なうようにしています。アイシングを行ない、ローズマリーカンファーのオイルで軽くマッサージするようにしています。
結果
今回の患者さんの経過は非常に長かったです。多くの場合、1週間程度で症状は軽減するのですが、4週間ほどかかりました。痛みは軽くなったり痛い日があったりを繰り返していました。
考察
今回の関節炎は、全身性のモノではなさそうです。外傷もないので消去法的に代謝異常と考えられます。偽痛風が最も可能性が高いのではないでしょうか?それであればレントゲンでピロリン酸カルシウムの陰影などが見えそうなのですが、このところは謎のままです。
また、偽痛風の自然経過は概ね1週間程度ですが、この患者さんは4週間ほどかかりました。
医師の診断の結果、特に管理が必要でないと診断される患者さんの多くは、鎮痛剤だけを処方されて様子を見るように言われます。
これは「経過観察」という医師の治療方法です。緊急性の低い患者さんに対して、1週間とか、2週間間隔で患者さんの診察を行ない、経過をカルテに記録していくのです。
最初の診察で大きな異常がなければ、この方法で症状が落ち着くのを待つわけですが、この「経過観察」という方法は医師の力量・人間性が問われます。
なぜなら患者さんはこの間、非常に不安なわけですね。しかし医師は、「検査をしても異常が見当たらないから大丈夫」と基本的に考えるのです。この考え方は医学理論に徹底したお医者さんの真摯な態度なのですが、
医療の対象である患者さんは「心配」なのです。医療の提供者である医師は「心配ない」と言います。このギャップがあれば患者さんは満たされず自分の症状をしっかりと「異常」として認めてくれる他の治療者を探すのではないでしょうか。もしくは異常がないということを、患者さんが納得できるように説明する必要があります。難しいですが。
ここに関心を寄せることができる医師の先生は本当によい先生だと思います。
今回の事例も上記の問題を感じました。だから、腫れている関節ではありますが、やはり炎症を押さえる効果があるとされるローズマリーカンファーのオイルで軽くマッサージするのですね。4週間かかりました。関節炎の真の原因は不明のままです。
しかし、感染症は医師によって否定されていますので、医師の診断の元に上記の治療を行なうことは患者さんの主観を満たすためには意味があると思います。このような治療は代替医療である整骨院だからこそできるのだと考えます。
おわりに
大阪市の平野区、生野区界隈で関節炎の痛みでお悩みの方は是非とも当院にご相談下さい。当院は大阪市の平野区と生野区の境目、地下鉄千日前線南巽駅①出口から徒歩1分のところにある整骨院です。
参考文献
井上三四郎:急性炎症性関節炎の初期診断と治療方針.整形外科と災害外科65 巻 3 号 p. 616-620,2016.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nishiseisai/65/3/65_616/_pdf/-char/ja