はじめに
小川鍼灸整骨院のブログです。
今回のブログのタイトルに興味を持つ方には、
身体の痛みに困っていてその原因を突き止めようと病院で検査をしたけれども異常が見つからないとお困りの方や、
異常が見つからないから治療のしようがないとお困りの方(本人とその家族)、
またはそのような方をクライアントにもつ治療者の方ではないでしょうか。
これらの人にとって、原因が見つからないことや治療法が見つからないことは大きなストレスになります。
そこで今回は、身体に問題がない(検査をしても異常がない)とされる患者さんがなぜ痛みを感じるのか?そしてその対策法になる当院の施術について解説します。
内容は以下の通りです。
・原因不明の痛みの正体は「二次痛」
・痛みは脳に伝わり、脳で感じる
・二次痛は寄り道をする
・寄り道が原因がわからない痛みの原因
・痛みとこころの関係
・異常がないのに痛みが出るワケ
・ではどうすれば?
・当院の施術
・おわりに
・参考文献
また当院では、
無料相談を受け付けています。
小川鍼灸整骨院は大阪市の南東、平野区と生野区の境目、南巽・加美北地区、南巽駅近くにある鍼灸・整骨院です。地域で一番おすすめの整骨院、あなたにとっていちばん近くの整骨院を目指しています。
原因不明の痛みの正体は「二次痛」
痛みは大きく分けて一次痛と二次痛という痛みがあります。
一次痛は「身体が傷ついたよ!!」と脳に伝えるための緊急性が高い痛みです。例えば、火傷や骨折、虫垂炎(もうちょう)の痛みなどは一次痛です。二次痛はその後に続く痛みです。
二次痛は慢性的な痛みで、緊急性は高くありません。いわば、一次痛の余韻(よいん)としての痛み、おまけの痛みです。
実はこの二次痛が、「検査をしても異常がない」にもかかわらず感じる痛みの正体です。
二次痛の特徴としては、
検査をしても異常が見られず、医師からも明確な原因を告げられないことが多いです。
また、忙しい時や楽しい時には気にならず、自宅でゆったりしている時やなかなか寝付けない夜などに、身体に意識が向くことで痛みを感じることも多いです。
肩こりや頭痛・動けるけれども気になる関節痛・手術の後の痛みなどの慢性痛は典型的な二次痛です。
痛みは脳に伝わり、脳で感じる
みなさんは痛みをどこで感じますか?
もちろん、手の痛みなら手に痛みを感じますし、足の痛みなら足に痛みを感じる、というように痛みを感じるその場所で感じますよね。
しかし、実はそうではないのです。
例に挙げた手の痛みも足の痛みも、それらはそれぞれの部位で感じているのではなく、脳で感じているのです。このことは、痛みの治療を行う上で重要なことですので大前提として理解しておいて欲しいことです。
どういうことか解説します。
痛みは皮膚や関節、筋肉にある末梢神経の感覚受容器(センサー)で受け取られます。
そして、末梢神経を伝って、脊髄に入り、脊髄から脳に到達して痛みを感じます。
このルートを痛みの伝導路といいます。
二次痛は寄り道をする
一次痛は感覚受容器(センサー)から大脳皮質の体性感覚野というところまで寄り道なしにまっすぐ進みます。
火傷や骨折、虫垂炎(もうちょう)などの痛みは緊急性を要する一次痛ですので、早く脳に伝えてしかるべき対処行動をとる必要があります。だから感覚受容器から大脳皮質体性感覚野に直接痛みの情報が伝えられます。
しかし、重くだるいはっきりしない二次痛は感覚受容器から大脳皮質体性感覚野までの間でいろいろ寄り道をするのです。
この寄り道が慢性痛患者さんを悩ませることになります。
寄り道が原因がわからない痛みの原因
ではどこに寄り道するのでしょうか?
それは感情や自律神経の中枢に寄り道するのです。
これによって、二次痛は自律神経や感情が関連して複雑になります。
だから二次痛は、気候の変化や寒さによって自律神経が反応することで強くなります。
また、感情的になると痛みを感じる事もあるでしょう。
その逆に、痛みを感じることで自律神経が反応して更に痛みを強くすることも考えられます。だから、自律神経失調症の人は痛みを感じやすいですし、痛みは時に人を感情的にしてしまいますし、ある種の感情によって痛みを感じる人もいます。
二次痛は自律神経や感情の中枢に寄り道をするから、痛みと感情は結びついてしまうのです。これは心と身体がつながっていることと同じ意味です。
痛みとこころの関係
医学のなかには「心身医学」という、身体の問題と心の問題がどんなふうに関係するのかを研究する分野があります。その心身医学では痛みを次のような図で表現します。
まず、「身体の痛み」があるとします。この痛みは一次痛と考えてよいでしょう。
それに対して不安や恐怖などの「心理的な反応」が起こります。厳密にはそうではないかもしれませんが、この「心理的な反応」が関係する痛みを二次痛と考えてよいと思います。
「心理的な反応」が大きければ痛みに対する対処行動として「痛みの行動」が起きます。「痛みの行動」とは、治療のために行う行動です。病院を受診したり、マッサージを受けたり、健康食品を購入したり、誰かに相談したりすることです。
そして、これら3つの層が積み重なって「痛みの総体」となります。
注目したいことは、2つの図の大きさの違いです。赤丸で示した「身体の痛み」は左右で同じですが、左の「心理的な反応」は右のそれより大きいです。
こうなれば、不安などの心理的な反応に導かれて「痛みの行動」も大きくなります。だから、結果として「痛みの総体」も大きくなるということです。
異常がないのに痛みが出るワケ
異常がないのに痛みが出るワケは、
既に痛みの原因である場所は治ったか、検査で異常が出ない程度にまで良くなっている(治っている)にもかかわらず、心理的反応を伴う二次痛だけが続いているからです。
この状態は長く続くことがありますがその理由は、この感覚がなくならない事に対する不安や思ったように改善しない事に対するストレス、コントロールできない不快感に関するストレスからくるようです。
また、何らかのネガティブな感情が痛みを感じさせやすくしていることもあります。
治療者としてよく経験することは、手術後の痛みです。手術をしたので、身体的な痛みの原因は手術的に取り除いているにもかかわらず、痛みがなくならないことがあります。
そのような方は、
もともとストレスを感じやすい性格なのか、
それとも長引く痛みがストレスを強くさせたのか、
そこの順番は明確にならないまでも、非常に大きなストレスを抱えていることがあります。このストレスは感情や自律神経を刺激して二次痛につながるのです。
ではどうすれば?
二次痛を小さくする方法は、いろいろあります。自分で上手く対処出来ている人もかなりいるので参考にすると、
・自分がイライラしていることを自覚できている
・ストレスへの対処がうまくできている
・趣味などを楽しんで目先を変えることができている
・自分の考えをはき出せる相手がいる
・有酸素運動を行う
などです。
じゃあ自分で対処できない人はどうすれば良いのか?ですが、
第一にするべき事は自分の痛みと自分の感情がどんな風に関係しているのか、どんな時に痛みを感じるのかを自己分析してみることです。
この分析を通して、何らかの気付きが得られるでしょう。
この気付きがなければ、痛みと心の関係を受け入れられず、原因を身体だけに求めることになり、無駄な検査や医師探し(ドクターショッピング)を繰り返すことになってしまいます。
医師は身体を診る専門家ですので、身体の問題については詳しく調べてくれますが、「心」と身体の問題については解決策を見つけてくれません。
心療内科医は頼りになりますが、忙しすぎて、ゆっくりとお話し出来ない場合もあるようです。
当院での施術について
どうして良いか分からない方はどうぞ当院にご相談ください。
まずは、筋膜リリース・整体・鍼灸施術で身体の痛みを和らげましょう。
そして,可能な範囲でご自身の心の状態もいっしょに眺めてみましょう。
多くの方はこのような方向性の施術で痛みが改善しています。
当院ではこのようなかかわりを「認知行動療法的なかかわり」と呼んでいます。時には治療に瞑想を用いることもあります。
以下のブログでは当院の考えや当院で改善した患者さんの事例を紹介しています。興味のあるタイトルから読んでみてください。
遠方で来院できない方は、リモートカウンセリングも行なっています。痛みの経緯や痛みの具合からどのような対処法が必要かについてアドバイス致します。但し、診断行為は行えませんのでご了承下さい。ご希望の方はメールにてご予約ください。
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おわりに
大阪市の平野区、生野区、南巽界隈で、原因がわからない痛みにお困りの方はどうぞ小川鍼灸整骨院にご相談ください。
はり・筋膜リリース・整体と同時に認知行動療法を施術に応用していています。
当院は大阪市の平野区と生野区の境目にある加美北地区、地下鉄(大阪メトロ)千日前線南巽駅1番出口から徒歩1分のところにある整骨院です。北巽駅ではなく南巽駅ですのでどうぞお間違えなくご来院ください。
当院の患者さんは、平野区、生野区、東住吉区、城東区、それに周辺の八尾市、東大阪市渋川町、寿町、衣摺などから来院されています。
参考文献
Loeser, John D. (2000). Pain and Suffering. The Clinical Journal of Pain, 16(Supplement), S2–S6.
熊澤孝朗:痛みを知る.東方出版,2007.