はじめに
小川鍼灸整骨院のブログです。今回は、身体に問題がない(検査をしても異常がない)とされる患者さんがなぜ痛みを感じるのかについて解説します。
小川鍼灸整骨院は大阪市の平野区、生野区にまたがる南巽という地下鉄の駅近くにある整骨院です。地域でおすすめの整骨院を目指しています。
痛みの種類
痛みは大きく分けて一次痛と二次痛という痛みがあります。
刺激される神経線維の違いによるものですが、一次痛は「身体が傷ついたよ!!」と脳に伝えるための痛みです。緊急性が高い痛みは一次痛です。
二次痛はその後に続く痛みです。この痛みは慢性的な痛みで、緊急性は高くありません。いわば、一次痛の余韻(よいん)としての痛み、おまけの痛みです。
実はこの二次痛が、「検査をしても異常がない」にもかかわらず感じる痛みの正体です。
二次痛の特徴としては、
忙しい時や楽しい時には気にならず、自宅でゆったりしている時やなかなか寝付けない夜などに、身体に意識が向くことで痛みを感じることが多いようです。
肩こりや頭痛・動けるけれども気になる関節痛・手術の後の痛みなどの慢性痛はこのタイプの痛みです。
痛みの伝導路
痛みは皮膚や関節、筋肉にある末梢神経の感覚受容器(センサー)で受け取られます。
そして、末梢神経を伝って、脊髄に入り、脊髄から脳に到達して痛みを感じます。
このルートを痛みの伝導路といいます。
一次痛は感覚受容器(センサー)から大脳皮質の体性感覚野というところまで寄り道なしにまっすぐ進みます。
やけどや骨折、盲腸の痛みなどの緊急性を要する痛みが一次痛ですが、一次痛は早く脳に伝えて、しかるべき対処行動をとる必要があります。だから寄り道はしません。
しかし、重くだるいはっきりしない二次痛はいろいろ寄り道をして痛みを感じる大脳の体性感覚野に到達するのです。
二次痛は緊急性が高くないためにこの寄り道も許されるのですが、この寄り道が慢性痛患者さんを悩ませることになります。
つまり、寄り道する先が問題なのです。
二次痛は自律神経や感情、記憶の脳を寄り道する
どこに寄り道するのかというと、感情や自律神経の中枢に寄り道するのです。これによって、痛みは自律神経や感情が関連して複雑になります。
だからこの痛みは、気候の変化や寒さによって自律神経が反応することで強くなります。
また、感情的になると痛みを感じる事もあるでしょう。
その逆に、痛みを感じることで自律神経が反応して更に痛みを強くすることも考えられます。
痛みとこころの関係
心身医学領域では身体で感じる痛みと心の関連をとりあつかいますが、次のような図で痛みを表現します。
まず、身体の中に何らかの痛みの原因があるとします。それに対して不安や恐怖などの心理的な反応が起こります。その反応が大きければ痛みに対する対処行動が起きます。これが痛み(辛さ)の総体です。
注目したいことは、身体の痛みに変化がなくとも、心理的な反応が小さくなれば、痛みの行動も小さくなる。結果として痛みの痛みの総体も小さくなるということです。
異常がないのに痛みが出るワケ
異常がないのに痛みが出るワケは、
既に痛みの原因である場所は治ったか、検査で異常が出ない程度にまで良くなっている(治っている)にもかかわらず、二次痛だけが続いているからです。
この状態は、この感覚がなくならない事に対する不安や思ったように改善しない事に対するストレス、コントロールできない不快感に関するストレスから維持されることが多いようです。
ではどうすれば?
二次痛を小さくする方法は、いろいろあります。自分で上手く対処出来ている人もかなりいるので参考にすると、
・自分がイライラしていることを自覚できている
・ストレスへの対処がうまくできている
・趣味などを楽しんで目先を変えることができている
・自分の考えをはき出せる相手がいる
などです。
じゃあ自分で対処できない人はどうすれば良いのか?ですが、
第一にするべき事は自分の痛みと自分の感情がどんな風に関係しているのか、どんな時に痛みを感じるのかを自己分析してみることです。
この分析を通して、何らかの気付きが得られるでしょう。
この気付きがなければ、痛みと心の関係を受け入れられず、原因を身体だけに求めることになり、無駄な検査や医師探し(ドクターショッピング)を繰り返すことになってしまいます。
医師は身体を診る専門家ですので、心と身体の問題について上手く解決策を見つけてくれません。心療内科医は頼りになりますが、忙しすぎて、ゆっくりとお話し出来ない場合もあるようです。
そこで!!!、
どうして良いか分からない方はどうぞ当院にご相談ください。
まずは、筋膜リリース・整体・鍼灸施術で身体の痛みを和らげましょう。
そして,可能な範囲でご自身の心の状態もいっしょに眺めてみましょう。
多くの方はこのような方向性の施術で痛みが改善しています。当院ではこのようなかかわりを「認知行動療法的なかかわり」と呼んでいます。
遠方で来院できない方は、リモートカウンセリングも行なっています。痛みの経緯や痛みの具合からどのような対処法が必要かについてアドバイス致します。但し、診断行為は行えませんのでご了承下さい。ご希望の方はメールにてご予約ください。
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おわりに
大阪市の平野区、生野区、南巽界隈で、原因がわからない痛みにお困りの方はどうぞ小川鍼灸整骨院にご相談ください。
小川鍼灸整骨院は大阪市の平野区と生野区の境目にある加美北地区、地下鉄千日前線南巽駅①出口から徒歩1分のところにある、地域でおすすめの整骨院です。
北巽は一つ手前の駅です。北巽ではなく南巽で下車してくださいね。
鍼・筋膜リリース・整体と同時に認知行動療法を原因がわからない痛みに応用していています。
参考文献
Loeser, John D. (2000). Pain and Suffering. The Clinical Journal of Pain, 16(Supplement), S2–S6.
熊澤孝朗:痛みを知る.東方出版,2007.